今回は「受験」のための数学の勉強法について、考えてみます。
とはいっても、今は受験直前でとにかく自分のやり方で頑張るしかないから、「よそ見」している余裕はない、という人にはおススメではありません。
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少しは心に余裕のある人、あるいは来年度以降に受験を控えている人たちへの一言です。
ものすごく記憶力が優秀な人を除いた普通の人にとっては、答えを急ぐ、公式や定理の暗記に頼る、という方法は、「その場しのぎの点数稼ぎ」にはなっても、総合的に理解力を判定される入学試験には、向いていません。
むしろ「遠回りに基礎からゆっくり」と学ぼうとした方が、結局は確実です。
より簡単なものから始めて「なぜ、どういう理由でそうなるのだろう」「ほかにも解き方、考え方はないだろうか」というふうに、ひとつひとつ積み上げていく方が、いいのです。
というのは、数学の世界の論理、考えの進め方は、そういうふうになっているからです。
受験数学の出題者の立場からは、公式や定理の暗記力を試そうというつもりはまずありません。
むしろ、考え方や解き方を確実に進める力や発想を確かめてみたい、というのが本当のところなのです。
だから、丸暗記では解き方が思い浮かばないような出題方法、設問方法にするわけです。
そのような見方からすると、問題には普通の計算力だけでなく、
文章題にして、言葉の理解力がどれだけあるか、
文章から数量と数量との関係(たとえば比例関係、和や差の関係、順序の関係など)を読み取ることができるか、それを方程式や代数の計算式などに置き換えられるか、
三角形や多角形などの図形やグラフの座標などを示して、位置関係や図形の性質を読み取れるか、
というようなことを試す設問になるのです。
そうすると、問題は、ひとつひとつは基礎的で簡単な知識・計算・定理などなのですが、それらを組み合わせて考える能力とか、どういう関係を考えて分析しているのかという発想を問うようにつくられている場合が多いのです。
「なぜそうなるのか」「やり方にはどういうものがあるか」という考え方で、普段学んでいる人に有利にはたらくようになるわけです。
文章の理解力ということからすると、高い国語の能力が求められます。
まず、今わかっている条件はどういうものか、
何が疑問点になっているのか、
何が、なぜ、どのような仕方で関係しているのか、
図形の線や辺、角度のあいだの関係をどうなっているか、
などを読み取り、頭のなかで組み立て、関係づける思考力とか発想が求められるのです。
その意味では、数学を学ぶ上で読書は大変に大事です。