人類はそうとう古い古代から、図形や幾何学について考え抜き、さまざまな法則や定理・公理を発見してきました。
とりわけ明白な記録や証拠が残されているのは、古代エジプトとメソポタミア(バビロニア)です。
≪TVも注目≫中学生6000名を伸ばした驚異の数学ソフト!公立中学でも導入決定!
おそらく、ともに毎年氾濫を繰り返す大河が流れているためだと考えられています。
というのは、毎年春から夏にかけて、エジプトではナイル河が、メソポタミアではティグリス河とユウフラテス河が、膨大な雪解け水のために洪水を起こしました。
ティグリスと言うのは、ギリシア語で「トラのように獰猛なもの」という意味だそうです。たぶん、その河は氾濫するときには、ものすごく猛威をふるったからでしょう。
さて、河は水の供給源ですから、流域には畑・耕作地が広がっていました。毎年の氾濫は、上流から肥沃な土砂を運んでくれたので、この両地帯は肥沃な農地だったわけです。
ところが、河が氾濫すると、河の流れ筋が変わってしまったり、土地が変形したり、畑の境界線が消え去ってしまいます。
そうすると、農民たちに以前と同じ形状や面積の耕地を復元してやらないと、争いのもとになってしまいます。
同じ形の畑を復元しなければなりせん。もし地形が変わってしまってそれが無理なら、同じ面積の耕地を公平に分け与えなければなりません。
そのために、図形の性質を検討して幾何学が発達し、面積を求める方法、そして形を変えて同じ面積にする方法(等積変形)や数学が発達したのでしょう。
さらに、幾何学や数学は、のちのピュラミッド建設や都市の大型建物の建設のために、役立てられ、さらに発展していったことでしょう。
ところで、図形の面積とは何でしょうか
平面で見た場合の「広がりの大きさ」ということらしいのですが、実は、数学上の明確な定義はないようです。
強いて言えば、図形のなか(表面)に「正方形がいくつ入るか」ということでしょう。この場合の「正方形」とは理論上の想定として、という意味です。
面積の単位は、人類の実生活では「u」とか「p2」というように表記されます。
これは、1辺が1メートルあるいは1センチメートルの正方形が、いくつ分あるかという意味です。
しかし、円や三角形など、正方形ではきっちり収まりきれない図形はどうするのか、という疑問がわきます。
この場合には、正方形を斜めに切って三角形に分解したり、無数の小さな正方形に分解して、近似値を求めるということになります。
理屈の上で、無数の無限に微小な正方形に分解して、それを寄せ集めて集計・集積するという考え方は、「微分・積分」の方法です。
ということは、考え方としての微分積分は、古代の幾何学の誕生とともに生まれていたわけです。