2013年02月07日

数量の数え方、測り方

数、数量についての見方、考え方は、じつにさまざまです。
ある子どもたちのグループで、リンゴの数量を調べることにしました。
「リンゴは全部でどれだけありますか」という課題でした。
たとえば、こんなリンゴです。

rapples.png

A君は、リンゴを「1個、2個、3個・・・」と数えていきました。
そういう数え方をする子どもが大半でした。
ところが、絵を描くことが好きなB君は、あることに気がつきました。
テーブルに置かれたリンゴは、それぞれ大きさや形、色が違います。
「絵に描いたら面白いだろうな。でも、色や形が違うものを、どうやって数えたらいいんだろうか? 似た色のリンゴを集めてグループにして数えようか、それとも大きさでグループに分けようか、いやいや重ささを測ってみようか・・・」と。
しばらくしてから、みんなで調べたリンゴの数量を発表することになりました。

ほとんど子どもの答えは「リンゴは全部で8個ある」でした。この答えを@とします。

なかには「大きいリンゴが5個、小さなリンゴが2個、中くらいの大きさのリンゴが1個」という答えもありました。これをAとします。

さらに、「色や大きさがまちまちなので、リンゴの重さを測って合計を出しました。全部で2435グラムです」という答えもありました。この答えをBとします。

さあ、では正しい答えはどれでしょうか。
どれも正しいですね。

飛び飛びの数=個数 と 連続する数=重さ

数・数量を数えるということは、じつにいろいろな意味があって、数え方や測り方も考え方、見方しだいでやはりいろいろあります。
@は、リンゴそれぞれの色や大きさ、重さなどの性質(特性・属性)を考えずに度外視して、それぞれのリンゴを1つの独立した個体・単体と見なして、その個数を測るという方法です。
Aは、だいたいの大まかな大きさの違い(見かけの大きさだけで重さは考えない)で分類して、それぞれの大きさの個数を数えました。そして、リンゴそれぞれを1つの独立した個体・単体と見る方法は@と同じです。
Bは、リンゴそれぞれを独立した個体・単体とは見なさずに、重さの集まりと考えたようです。そして、その全部を集計して、大きな全体の集まりとして数量(重さの合計)を測りました。
ここで、Bの答えの数量キログラム単位で表すと、2.435キログラムとなります。小数になります。
この場合、区切りのよい1個、2個、3個という整数、自然数ではなくて、小数の数量になっています。

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Bの測定結果を出したC君は、重量測定機の上に、1つずつリンゴを足して乗せていきました。1つ目の重さは、342.3グラムでした。次のリンゴを乗せると、合計で515.6グラムになりました。
ここでは、1つ目のリンゴと2つ目のリンゴとのあいだに区分というか仕切りはありません。重さは、1個1個のリンゴの区別にはかかわらず、連続的に増加していきます。
そうしてみると、重さという考え方には、個数による仕切りがないということになります。
もし豆やサクランボのように、小さくて軽くて、1つひとつの重さが小さければ、1つ増えるごとの重さの変化はもっとずっと小さなものになります。
砂粒や塩の粒だったらどうでしょう。

というわけで、重さの変化の大きさは、どこまでも限りなく小さくなっていきます。
そうすると、1個、2個、3個というように飛び飛びに変化する、つまり不連続の数の変化と、切れ目なく連続する数というものがあるわけです。
今、私たちは数学という科学の「大問題」の入口に立っているのです。

posted by 田舎おやじ at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 数の世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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