前回の記事「数直線とものさし」では、負の数が登場しました。
そこでは、通常の数の増加とは逆の方向、つまり減少の方向への進み方を示す記号=符号として「マイナス:−」を使うのだ、という規則を説明しました。
そこで数の表記方法ですが、プラスの数には「+5」というようにプラス符号をつけないで、ただ「5」というように表記することにします。したがって、マイナスがついていない数は、プラスの世界の数だと考えてください。
上の図で、0から増加する方向を「+(プラスの世界)」として、反対に0から減少する方向を「−(マイナスの世界)」と呼ぶことにしましょう。もともと、ラテン語でプラスは増加(大きなもの)を、マイナスは減少(小さなもの)を意味する言葉でした。
こういう風に考えると、負の数は実在する数なのです。
すなわち、「反対方向を意味する数」なのです。
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ここで、マイナスを使った計算、引き算の意味を考えてみましょう。
たとえば、6−3=3 という計算です。2つのものさしを反対向きに置いた上の図を参考にしましょう。
この引き算の意味は、「6マイナス3」で、6という数をまず基準にして、そこから減少の方向に3動いたところの数を指し示すということになります。
そこで、この計算は、6+(−3)という風にも表すことができます。これは、6に対して、−3という数を加える、あるいは、増加の方向にマイナス3動かすということです。
こうしてみると、これまで単純に加減の計算の符号だと考えてきた+や−は、数直線上での動きの方向とか位置関係を表す符号になるわけです。そして、マイナスは「反対方向の意味」を表します。
すると、たとえば「−1000円の利益」は「1000円の損失」になり、「北へ−20メートル」は「南へ20メートル」、「上に−54センチメートル」は「下に54センチメートル」という意味になるのです。